Research

アミンを栄養として成長する接着を実現

(Tsurumaki F.; Sato, A.; Fukai, K.; Maruoka, S.; Tamesue, S.*, ACS Applied Materials & Interfaces 2023)

リビングラジカル重合の一種、RAFT重合を用いて接着後に成長できる接着界面を実現

(Ueno Y.; Nakazaki, H.; Tamesue, S.*, ACS Applied Polymer Materials 2023)

直鎖ポリマーのin situ重合によってヒドロゲルを簡便かつ可逆的に接着

(Tamesue, S.;* Endo, T.; Ueno, Y.; Tsurumaki, F., Macromolecules 2019)

超分子相互作用の影響を高分子ネットワーク構造によって制御

シクロデキストリンなどに代表されるホスト分子とそれに対応するゲスト分子が形成するホストーゲスト相互作用は近年、高分子間の相互作用部位として利用することでゾルゲルスイッチング可能なゲルや、自己修復ゲルなど様々な新規素材に利用されています。本研究では高分子ネットワークの構造(シングルネットワーク、ダブルネットワーク)を作り分けることで同じ原料から形成されるにもかかわらず同じ刺激応答性ホストーゲスト相互作用の影響を逆転させることに成功しました。
(Tamesue, S.;* Noguchi, S.; Kimura, Y.; Endo, T., ACS Appl. Mater. & Interfaces 2018)

複数の刺激を順番通り与える時のみ凝集するナノゲル材料

ナノメートルスケールの大きさを持つゲル「ナノゲル」はその凝集を制御することによって止血剤や溶液の流れを制御するバルブ材料への応用が期待されています。このような凝集をより限定的に起こすことができれば、必要な時のみ凝集をさせることができ、無駄な凝集を抑えて使うことのできるというメリットがあります。本研究ではカテコール基を有するナノゲルを作製し、鉄イオン、pHの変化を満たし、さらにこれらの条件を順番通りにクリアすることでのみ凝集するナノゲルを報告しました。
(Tamesue, S.;* Abe, S. Polym. J. 2018, Selected as a Highlighted Article)

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層状無機化合物を用いたヒドロゲル間の強固な接着

生体材料として水からできたソフトな材料であるヒドロゲルを利用する際に重要なことはいかに簡便かつ強固にヒドロゲルを接着できるかです。我々は層状無機化合物へのカチオン性官能基の取り込み(インターカレーション)を利用することで非常に強固にしかも塗るだけという簡便な手法でヒドロゲル間を接着することに成功しました。
(Tamesue,S.;* Yasuda, K. ACS Macro Lett. 2016 etc.)

スマートなソフトマテリアルの開発

近年、様々な刺激応答性を有する共有結合、非共有結合が報告されてきています。これらの結合(超分子的な相互作用)を高分子の構造内に組み込むことによって、ナマコの様に外部からの刺激に対して硬さを大きく変化させるなど、目に見える物性の変化を示す頭のいい(スマートな)マテリアルの開発を行ってきました。例えば、照射する光の波長によって構造を変化させるアゾベンゼンを高分子構造内に持つアゾベンゼンポリマーと、環状オリゴ糖であり優れたホスト分子であるシクロデキストリンを多数修飾した多糖のカードランを水中で混合すると、側鎖間でのホストゲスト相互作用によってこれら二つのポリマーが架橋され溶液はゲルを形成します。このゲルに紫外光を照射するとアゾベンゼンが折れ曲がった構造となりシクロデキストリンの環の内部に入れなくなり高分子間の架橋構造が崩れ、溶液の状態(ゾル)へと変化します。可視光を照射することで再びアゾベンゼンをまっすぐな構造へと戻すことによって再び高分子間はホストーゲスト相互作用によって架橋構造を形成しゲルの状態へと戻ります。これらの光刺激に応答した状態変化は何度でも繰り返し行うことが出来ます。これらの研究成果は自己修復材料など様々な分野での応用が考えられてきています。
(Angew. Chem. Int. Ed. 2010 etc., 被引用件数300回以上)

自己修復能を持つマテリアルの開発

様々なモノは使用するうちに傷が入り、その機能性を大きく低下させてしまいます。そこで物質の中に可逆的な結合(超分子結合)を組み込みさらに高分子構造を改良することによって、これらの傷を人間の皮膚の様に自動的に修復する材料(自己修復材料)の開発を行いました。これらの成果をベースとして企業との共同研究に寄って商品化されました。
(J. Am. Chem. Soc. 2013 etc.)

多糖の形成する3重らせん内部をテンプレートとする機能性低分子、高分子の規則的配列

キノコの一種であるスエヒロタケから抽出されるシゾフィラン(SPG)や、類似した構造を持つカードラン(CUR)が水中で形成する3重らせんの内部空間を利用することによって色素などの機能性低分子を規則的に1次元に配列することに成功しました。また、多糖シゾフィランの持つグルコースとボロン酸の結合反応を利用することでカーボンナノチューブなどの機能性高分子の配列にも成功しています。さらに加える糖の種類や量によって溶液の状態とゲルの状態へ変化するカーボンナノチューブヒドロゲルの作製に成功しました。このように優れた電子材料であるカーボンナノチューブの糖やpHに応答するゲルは癌の光線力学療法やセンシング材料としての利用が多いに期待されるところです。
(Org. Lett. 2006, Chem. Commun. 2008 etc.)

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